1月にバラの花を手に入れたかったり、8月に新鮮なサーモンが食べたくなった場合、それが可能になるのは、温度制御されたサプライチェーンのおかげです。季節を問わず、野菜や魚介類などの生鮮食品や生花は、生産現場から小売店まで、冷蔵倉庫、トラック、冷蔵室という連続したネットワークを通って移動しています。
このシステム全体が、一定温度の維持に依存しています。通常氷点下20℃以下に保たれる冷凍製品とは異なり、生鮮食品は狭い温度範囲内に保つ必要があり、一般には0~5℃の範囲になります。冷凍庫の冷却システムが故障した場合、温度が氷点下以上に上昇して冷凍食品が腐敗するまでは何時間もかかります。しかし、生鮮食品ははるかに狭い温度範囲内に保たれているため、それよりはるか短時間で腐敗してしまいます。
このため、温度を絶えず監視することが必要不可欠になります。ただし、多くの環境では、熱電対から中央管理室まで信号を送信するケーブルを、長距離にわたって敷設することは実用的ではありません。このような状況では、ワイヤレス温度監視がコスト効率に優れた方法です。ただし、冷蔵室や冷凍庫では、ワイヤレス通信に特別な問題が発生します。エレベーターに乗っていると携帯電話の信号が届かないことを経験したことがあるでしょうか。このように、金属製の箱は、無線信号を遮断します。今回のOMEGAエンジニアリングのホワイトペーパーでは、ワイヤレス温度監視のメリットと、金属製筐体から無線周波数信号を受信する際の課題を解説します。各セクションでは、以下の内容を検討します。
このシステム全体が、一定温度の維持に依存しています。通常氷点下20℃以下に保たれる冷凍製品とは異なり、生鮮食品は狭い温度範囲内に保つ必要があり、一般には0~5℃の範囲になります。冷凍庫の冷却システムが故障した場合、温度が氷点下以上に上昇して冷凍食品が腐敗するまでは何時間もかかります。しかし、生鮮食品ははるかに狭い温度範囲内に保たれているため、それよりはるか短時間で腐敗してしまいます。
このため、温度を絶えず監視することが必要不可欠になります。ただし、多くの環境では、熱電対から中央管理室まで信号を送信するケーブルを、長距離にわたって敷設することは実用的ではありません。このような状況では、ワイヤレス温度監視がコスト効率に優れた方法です。ただし、冷蔵室や冷凍庫では、ワイヤレス通信に特別な問題が発生します。エレベーターに乗っていると携帯電話の信号が届かないことを経験したことがあるでしょうか。このように、金属製の箱は、無線信号を遮断します。今回のOMEGAエンジニアリングのホワイトペーパーでは、ワイヤレス温度監視のメリットと、金属製筐体から無線周波数信号を受信する際の課題を解説します。各セクションでは、以下の内容を検討します。
- ワイヤレス温度監視の基本
- ワイヤレスで温度監視を実行する理由
- ワイヤレス温度監視の限界
- ソリューション
- ワイヤレス温度トランスミッタ
ワイヤレス温度監視の基本
温度計は温度測定値を目視確認するのに適していますが、計装には熱電対または測温抵抗体(RTD)を使用する必要があります。通常、これらは表示装置に直接接続されますが、長いケーブルの敷設が必要な場合には、直接接続が問題になります。このような状況では、無線温度ロガー/送信機を使用すると解決します。
ワイヤレスシステム(無線温度ロガー、送信機/受信機)は設定が容易です。熱電対線は、電池で駆動するトランスミッタに接続します。すると、122m以内の距離に設置した受信機に対し、2.4GHz周波数の信号がブロードキャストされます。最大の範囲や信号強度には見通し線が必要ですが、システムは範囲を狭めると、障害を通過して伝送することができます。
PCへのUSB接続を使用することで、レシーバは、温度に加えてコネクタ周囲の測定値、RF伝送強度、電池状態をデータ獲得ソフトウェアへ送信します。
データをさらに長距離送信する必要がある場合、受信機(中継機)は、データを受信し、8キロメートル以内の距離にあるレシーバへ再送信することができます。
ワイヤレスシステム(無線温度ロガー、送信機/受信機)は設定が容易です。熱電対線は、電池で駆動するトランスミッタに接続します。すると、122m以内の距離に設置した受信機に対し、2.4GHz周波数の信号がブロードキャストされます。最大の範囲や信号強度には見通し線が必要ですが、システムは範囲を狭めると、障害を通過して伝送することができます。
PCへのUSB接続を使用することで、レシーバは、温度に加えてコネクタ周囲の測定値、RF伝送強度、電池状態をデータ獲得ソフトウェアへ送信します。
データをさらに長距離送信する必要がある場合、受信機(中継機)は、データを受信し、8キロメートル以内の距離にあるレシーバへ再送信することができます。
ワイヤレスで温度監視を実行する理由
有線の安定性に勝ることは難しいにしても、ワイヤレスシステムを選択する十分な理由があります。
- 長いケーブルを敷設せずに、遠隔場所から監視できるようになります。熱電対の延長線(補償導線)は、ループ抵抗が高くなりすぎたり、電気ノイズのために測定誤差が発生したりしないように、30.5m以下にするように推奨されています。
- 電源が不要。一部ワイヤレス送信機の中には電池を使用するものがあります。
- 冷蔵室の状態は年中無休、1日24時間維持することが必要であるため、誰かに温度計を定期的に確認するように求めることは現実的ではありません
- 異常な運用状態を迅速に特定し、冷却システムが故障した場合に腐敗のリスクを低減します。
- 熱電対(補償導線)の敷設が不要です。補償導線の敷設はコストがかさむ可能性があります。
- 柔軟性。冷蔵貯蔵場所を移動したり、再設置したりする場合、ワイヤレス送信機は迅速に再配置でき、ほとんどコストがかかりません。
- 過去のデータのみを提供する温度ロギングとは異なり、リアルタイムでの監視が可能。
- • 温度が予め設定した限度を超えた場合に警告するようにプログラムできます。システムによっては、問題が発生すると、SMSまたは電子メールで警告を送信することが可能。
ワイヤレス温度監視の限界
無線温度ロガー/送信機には1つ弱点があります。それは、冷凍庫や冷蔵室の壁のほとんどがスチール製のため、無線信号の伝送が妨害されます。このような筐体は、ファラデーケージと呼ばれています(この現象を最初に実証した英国の科学者、マイケル・ファラデーの名前をとって名付けられました)。ファラデーケージは、電荷が入ることも出ることもできないようにする金属製の筐体です。電荷は、無線伝送であっても、雷のような別の発生源であっても、筐体を貫通せず、表面全体に広がります(雷雨中に車の中にいると安全なのは、このためです)。同じ効果は、筐体内部の信号にも適用され、同じ理由のために、その外へ出ることができません。
ソリューション
ワイヤレスシステムの設置者がファラデーケージの問題を認識している場合は、別の伝送方法を実装することで通常、簡単に解決することができます。以下の2つの方法があります。
- 無線温度ロガー/送信機(熱電対データロガー等)を窓際に設置します(ドアが非金属製の場合は、ドアの近くでも問題ありません)
- 熱電対線(補償導線)を壁の小さい穴から通して、冷蔵室の外側に無線温度ロガー/送信機(熱電対データロガー等)を設置します。
無線温度ロガー/送信機
小型電池で駆動する送信機は、広範囲の熱電対入力を受信することができるため、さまざまな用途でメリットがあります。データ伝送の周波数は、ユーザーがプログラムすることができます。測温抵抗体(RTD)が好ましい状況では、無線温度ロガー/送信機は、3線式RTDセンサの入力を取得し、同じ方法でデータをブロードキャストします。
ワイヤレス伝送は、PCに接続された受信機へ、または受信機を介してネットワークまたはインターネットへのいずれかに接続します。
ワイヤレス伝送は、PCに接続された受信機へ、または受信機を介してネットワークまたはインターネットへのいずれかに接続します。
外部へのデータ送信
コールドチェーン配送システムによって、消費者は、場所や時期を問わず、生鮮食品を享受しています。このような冷蔵された倉庫、トレーラー、貯蔵室のネットワークは、腐敗を招きかねない問題に対して即座に警告を提供する温度監視システムに依存しています。
ワイヤレス監視は、ワイヤード方式よりも高い柔軟性を提供するだけでなく、遠隔地へデータを送信することができます。ただし、多くの冷凍庫や冷蔵室の壁は、スチール製のパネルが使用されているため、ワイヤレス信号をファラデーケージの外へ送信する問題があります。
ワイヤレス監視は、ワイヤード方式よりも高い柔軟性を提供するだけでなく、遠隔地へデータを送信することができます。ただし、多くの冷凍庫や冷蔵室の壁は、スチール製のパネルが使用されているため、ワイヤレス信号をファラデーケージの外へ送信する問題があります。
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