温度測定Q&A
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熱電対の線はどこまで長く伸ばせますか?
測定器の仕様を見て、入力インピーダンスの制限を調べてください。一般的に抵抗値は最大100Ωです。この抵抗値は線の太さによります。すなわち線が太ければ長さ当たりの抵抗は小さくなるので、
遠くまで引くことができます。
電気的ノイズが多いところでは、長距離伝送が可能でノイズに強い4-20mAの信号を出す
トランスミッタが必要になる可能性があります。
放射率: 考慮すべき重要な要素放射エネルギーは、放射、透過、反射の3種類に分類できます。放射率とは、完全な
放射体(黒体)から放たれたエネルギーに対する、
黒体と同じ温度の物体から放たれたエネルギーの比率です。放射率値は0.0〜1.0で表します。
黒体の放射率を1.0とします。
実際の測定物は
黒体ではないので、
IR温度計は放射率の違いを補正しなければなりません。一般に、物の放射率が高ければ高いほど、IR 温度測定の精度が高くなります。木、布、プラスチックなどの有機物は、約0.95の放射率があります。また、荒い面、塗装面も、高い放射率を持ちます。
非常に低い放射率(0.2未満)の物体は問題です。アルミニウムなどの金属光沢面は赤外線を反射するので、外部からの赤外反射成分が含まれたり、金属自身からの放射率も悪いので、測定値の誤差が大きくなります。
ヒーター制御用のリレーの大きさについて教えてください。
これは分かっている数字で計算できます。
ヒーターの全電力を合計し、そのワット数を
ヒーターの電圧で割り、アンペアを計算します。ソリッドステートリレーも電磁リレーも「定格電流」が表示されています。
プロセス入力をモニターするのに、4-20mA の制御信号を
チャートレコーダに接続できますか?
いいえ、できません。制御電流はバルブなどの
制御機器を制御するように設計されています。アナログ信号を記録用機器に送るのであれば、再伝送または
レコーダー用出力のついたコントローラを選定してください。
一つの
熱電対信号を2個の計器に分割することはできますか?
いいえ、できません。熱電対の信号は極めて低レベルのミリボルトの信号ですので、1個の測定器しかつなぐことはできません。2台の計器で信号を分割すると誤差が大きくなるか無信号の状態になります。解決法は「デュアル」
熱電対プローブを使うか、または
熱電対の出力を
トランスミッタか
シグナルコンディショナを使って4-20mAの信号に変換することです。後者の方法ではその信号を複数の計器に送ることができます。
熱電対の精度と領域は、熱電対合金、
測定温度、センサーの構造、
シースの材料、測定対象物(液体か、固体か、気体か)、
熱電対線の太さ(露出している場合)、または
シースの太さ(熱電対が露出していないでシースで被覆されている場合)などの項目によることを理解することが重要です。
熱電対で温度を測定するときに、どんなマルチメータでも使うことができないのは何故ですか?
熱電対温度計を使わない場合、どんな誤差が発生しますか?
熱起電力の大きさはその
熱電対合金がクローズドエンド(検知)か、オープンエンド(測定)かによります。
熱電対を使う温度測定器は、測定端の温度が検出端温度を決定する構造になっています。多くのミリボルト電圧計はこの構造になっていませんし、ミリボルトの測定値を温度に変換する非線形スケーリングの機能もありません。検出したミリボルトの電圧と換算表を使って測定中の温度を計算して出すことはできます。しかし、その値は一定していないので、修正値を連続して再計算しなければなりません。測定器の測定端の小さな変化が修正値の変化になります。
それぞれのセンサーの特性と費用の他に対応する計装関係のことも考える必要があります。
熱電対は一般的に測定できる温度範囲が広く、低コストで壊れにくいのが特長ですが、
RTDや
サーミスタに比べて精度と安定性で劣ります。
RTDは安定しており、比較的広い温度領域を持っていますが熱電対ほど頑丈ではなく値段も高くなります。
RTDは測定に電流が必要で、
RTDは自己発熱が精度不良の原因となります。
サーミスタは、
RTDや熱電対より高精度ですが、温度範囲は限られます。
サーミスタにも自己発熱の問題があります。
赤外線センサーは他の測定方法より高温を測定でき、測定面に直接接触せずに測定できます。しかし、一般的に精度が低く、表面の放射効率(正確に言えば表面放射率)に敏感です。
光ファイバーケーブルを使用すれば、直接の視界外でも測定が可能です。
赤外線温度計を選定する場合に考慮すべき点を2つ上げるとすれば何ですか?
測定対象の面が視野全体に広がっていることと、表面放射率のことを計算に入れて置くことです。
1) 低
ノイズのシールド付リード線、コネクタ、プローブを使う。
2)
EMI と高周波放射を抑制する計器とコネクタを使用する。
3) アナログ信号トランスミッタ、特に電流トランスミッタの採用を検討する。
4) デジタル信号採用の可能性を検討する。
動いている部品でも温度測定はできますか?
はい、可能です。
赤外線測定器を使うか、または接触式センサーとスリップリングで測定可能です。
2色赤外線測定器を使えば、低放射率の表面温度を測定できますか?
約700℃以上の高温であれば可能です。
赤外線高温測定器のスポットサイズがターゲットよりも大きい場合にはどんな誤差になりますか?
それは分かりません。測定値は加重平均でしょうが、再現性に疑問があります。
OS36、OS37、OS38に合う表示器はどれでしょうか?
DP5000、BS6000またはH-200が最善の組み合わせです。