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CASE STUDY

航空宇宙産業で用いられる熱電対

製品情報: 被覆熱電対

OMEGA、LSST望遠鏡のミラーで主役となる

大型シノプティック・サーベイ望遠鏡(LSST)は新しい種類の光学望遠鏡で、今までは不可能だった広い範囲で夜空を見ることができます。運用が開始された際のその役割は、地球に衝突する恐れのある物体の探索と、従来の望遠鏡では捉えることのできなかった短時間の宇宙事象の検出です。やがて、LSSTは宇宙の詳細な3Dマップを作成します。天文学者はこのデータを使用してダークマターを探し、ダークエネルギーの理解に役立てます。

LSSTの心臓部は、巨大な8.4メートル(27フィート)のミラーです。他の光学望遠鏡と異なり、このユニークな構造物には、主鏡(M1)と第3鏡(M3)が1枚のガラスに組み込まれています。高品質な画像を得るには、幾何的精度が不可欠です。

航空宇宙で熱電対を使用する問題

「M1M3 monolith(1枚ガラスの名称)」は2008年に鋳込まれ、何年もかけて研削・研磨され、必要なナノメートル単位の精度を達成しました。このような大型ミラーの場合、温度差による膨張と収縮は、研削/研磨作業と運用中の性能の両方に重大な影響を及ぼす可能性があります。

温度差を検出して補正するために、LSSTの設計チームはオリジナルの熱管理システムを考案・設計しました。このシステムは、高精度の熱電対をミラーの前面、背面、および中央平面の146ヶ所に配置することが必要でした。いずれかの熱電対間で温度差が検出されると、熱管理システムが補正をおこないます。満足のいく運用には、測定した温度差に繰返し性が求められ、0.1ºCの精度が必要です。

熱電対ソリューション

この性能レベルを得る最良の方法は、同一ロットのワイヤで製造される高品質の熱電対を使用することです。他のサプライヤと異なり、OMEGAには、この要件そして他の過酷な要件を満たす条件と意欲がありました。当社が誇る大規模耐熱押出しプロセスにより、同一ロットの熱電対ワイヤを大量に生産できます。LSSTの設計チームは、当社の生産能力と品質保証手順を検証した後、当社に製造のゴーサインを出しました。

提供した熱電対はOMEGAの標準的5TCシリーズモデルですが、「Special Limits of Error(特別誤差)」熱電対ワイヤのシングルロットから製造しています。 さらに、これらの製品は、LSSTチームの要求どおりに取扱い/梱包されました。リードはすべて、OMEGAのストレインリリーフ(張力緩和)コネクターにより終端されています。大径ロールのコイルから製造しているため、多数の熱電対が極めて均質であり、数多くのポイントで温度測定と温度トラッキングが大きく改善されました。

結果

LSSTチームは、 OMEGA® 5TC熱電対を使用することで、温度監視システムが精度0.1ºCの要件を達成したと報告しました。正確な形状を得るために11,000ポンドの材料を除去した後、 2015年2月13日、ミラーは正式に承認されました。

望遠鏡が完成したとき、これらの熱電対は、ミラーの継続的な温度モニタリングに使用されることになります。デジタル処理パッケージがこれらのデータを使用して、ミラーの膨張と収縮に起因する歪みを補正します。

LSSTの建設は、2011年に始まりました。望遠鏡は、2020年中ごろの運用開始が予定され、そのとき画像品質の一端をOMEGAが担うことになります。


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