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極細熱電対とは

熱電対素線 一つ一つの生きた細胞の温度を測定する必要性を想像してください。細胞の大きさが約0.010 mmだとすると、極細熱電対(この方法を選択した場合)は、直径1ミクロン未満であることが求められます。これが、ナノセンサの世界です。

ナノテクノロジーを定義し、新たなセンサの可能性について考察します。また、ナノセンサが開いた新しい測定用途について言及し、小型センサを使用することの利点を強調します。特に、小型熱電対による温度測定に注目します。ナノスケールの利用を必要とするエンジニアはごく少数ですが、その成果は、多くの分野に適用できます

各セクションの内容は以下の通りです:
  • ナノテクノロジーとナノセンサ
  • 国家による研究支援
  • ナノセンシング用途例
  • 小型センサの利点
  • スモールスケール温度測定

極細熱電対、ナノテクノロジーとナノセンサ

”ナノ”は、ナノメートル、つまり1メートルの10億分の1を意味します。これを紙に当てはめると、1枚の紙の厚さは約100,000ナノメートルで、1本のブロンドヘアーの太さは、約30,000ナノメートルです。このスケールでは、より大きな物体と比較して、表面が材料挙動に与える影響が大きくなります。その結果、大きな物体と比較して、導電率、反射率、磁性などの特性が変化します。

国家による研究支援

これらの特殊な特性の利用は、健康医療の改善や、新たな高性能材料の開発に大きな潜在力を秘めています。この分野の研究を活発化するため、米国連邦政府は、国家ナノテクノロジー・イニシアティブ(NNI)を立ち上げました。このプログラムは、ナノテクノロジー研究に対して資金を提供します。

同プログラムの一部である、ナノテクノロジー・シグネチャ・イニシアティブ(NSI)は、ナノセンサの開発に注力しています。ナノセンサとは、センサのサイズを意味するものでなく(一部はナノスケールですが)、センサがナノスケールで動作できることを表します。例として、ナノサイズの空気中汚染物質の検出などがあります。

これらのセンサに期待されるのは、「様々な健康、安全、および環境評価において、小型デバイスの検出感度、特定性、さらに多重化能力を向上させる物理、化学、そして生物学的センシングの新たなソリューション」を提供することです。NSIの論文では、「新しい高性能ナノセンサは、小型サイズにおいて高速応答と感度の向上をすでに実証している」と発表しています。

極細熱電対、ナノセンシング用途例

ラボ/研究室で極細熱電対を使う
ラボ/研究室
クリーンルームで極細熱電対を使う
クリーンルーム
ナノセンサは、国防、健康医療、そして民生品分野で用途があります。以下に、その一部を紹介します

空気中化学物質の検知:このセンサは、酸化亜鉛などの半導体材料製のナノワイヤに分子が付着したときに生じる電気導電度の変化を検知します。一つの用途として、過剰な一酸化炭素の検知があります。

バクテリアとウィルスの検出: これらも、電気導電度の変化を利用していますが、抗体が付着するのはカーボンナノチューブです。合致するバクテリアまたはウィルスが抗体に付着すると、導電度の変化が測定されます。

生細胞の温度測定: プリンストン大学とカリフォルニア大学バークレー校の研究者は、各細胞に挿入できる”ナノ温度計”を開発しました。従来型の熱電対ワイヤを使用するのではなく、温度が変化すると色が変わる半導体結晶を採用しています。ラージスケールの場合、科学者は通常、微細ゲージの熱電対を使用して、超音波の加熱効果を調査するときと同様に、生体外組織の温度を測定します。

ナノ流体の温度測定: 熱管理が、特にエレクトロニクス分野で問題になっていて、超熱伝導特性を有するナノ流体の開発が進んでいます。この場合、”ナノ”効果を測定するためのセンサが必要です。

極細熱電対、小型センサの利点

センサのサイズを小型化すると、多くの利点が生まれます:
  • 応答が速くなる
  • SN比が良くなる
  • データが正確になる
  • データ密度が高くなる
  • 測定対象の現象への影響が減る
これらのポイントを説明する際、温度測定に、極細裸線の熱電対を使用することの利点を考えてみてください。

極細熱電対、スモールスケール温度測定

応答時間は、ワイヤ径と相関します。例えば、以下のOMEGAの表を見てください。直径0.75 mmのワイヤを使用する熱電対は、所定の気温変化に対する応答が40秒必要なのに比べ、直径0.025 mmのワイヤは、わずか0.05秒で応答します。

応答速度
線径
mm
静止空気
427°C/38°C
60 ft./秒 Air
427°C/38°C
H2O
93°C/38°C
0.025 0.05 秒 0.004 秒 0.002 秒
0.125 1.0 秒 0.08 秒 0.04 秒
0.381 10.0 秒 0.80 秒 0.40 秒
0.75 40.0 秒 3.2 秒 1.6 秒

従って、極細熱電対裸線を使用すると、時間分解能が大幅に向上します。その結果、制御応答が速くなり、温度に敏感なプロセスの品質が向上し、データ密度が高くなります。このことは、過渡的影響を把握する場合に役立ちます。

小さな現象を比較的大きなツールで測定すると、SN比が低下します[30.5 cmの物差しで、細線の直径を測定することを想像してください]。測定対象の特徴にセンサのスケールを合わせると、データ品質が向上します。また、センサをより正確に配置することでもデータ品質は向上します。熱電対の場合、極細ワイヤで製造すると、熱源や所望の場所に近づけて配置できます。

測定センサ(この場合、熱電対)のサイズが小さくなると、所定エリアでより多くのセンサを使用できます。収集するデータの空間密度が増すと、熱流などの効果をより正確に追跡できます。

多くの場合、特に、非常に少量を測定する場合や、正確な測定を実施する場合、現象に与えるセンサの影響が問題になります。加速度計は動きのシステムに質量を追加し、おそらく結果を変え、熱電対も、測定場所から熱を伝導するときに同様な作用を与えます。移動流体の温度測定も同じことで、大型の熱電対は、流れに大きく干渉します。これらの例はすべて、センサのサイズと質量を減らすことの利点を物語っています。

小さく考えよう

Laboratory Setting
Laboratory Setting
ナノテクノロジーは、非常に活発な研究分野で、センサテクノロジーと密接に関係します。ナノ材料は、固体も液体も新製品の開発が可能で、その中には、多様なデバイスに組み込むことができる小型センサがあります。ただしその結果、温度変化を測定する場合と同様に、ナノスケールで感知する能力が求められるようになりました。

極細熱電対裸線を使用した熱電対などの小型測定デバイスは、収集するデータの密度と品質の両方を向上させることができます。熱電対を小型化すると、応答が速まり、研究対象である現象への影響が減り、所定エリアにより多くの熱電対を設置できます。ナノテクノロジー研究は政府が資金援助しているので、ナノスケール測定用途の継続的成長は間違いありません。

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